【読書】湊かなえ「告白」
こんにちは、ももこです。
帰省中はたっぷり時間があったので、実家にある本を読んでました。
湊かなえさんの「告白」と「贖罪」。
全然爽やかさはないですが、読み応え抜群でした。分量もないから、さくっと読めるのがいいですね。
■告白
「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラーが遂に文庫化!“特別収録”中島哲也監督インタビュー『「告白」映画化によせて』。
映画は見てません。
映画の予告をちらっと見たことがあるだけで、内容もほとんど知らない状態で読み始めました。
湊さんの熱量がすごいですね!ぐいぐい読ませます。語り手が変わっていって、ひとつの事実をみんながみんな自分に都合よく語っちゃうんで、真実がなにかは最後まで分かりません。
ただ、真実がどうであれ、愛美ちゃんが死んでしまったのは事実なわけで。
いちばん可哀想なのは愛美ちゃんです。
賛否両論あるんでしょうが、私はラスト、好きです。100%ではないものの、それまでのイライラを多少沈静化させるくらいにはスッキリしました。
渡辺君、極悪でしょ。
確かにかわいそうな境遇かもしれないけど、それを盾に人を傷つけちゃダメだわ。ましてや自分より弱い存在を。だっさいヤツですよ。
共犯である直樹君は少しばかり苦しんでるのに(愛美ちゃんを殺めてしまったことを、なのかは曖昧ですけど)、渡辺君は自分がかわいくてかわいくてしょうがないだけの空っぽ君。
最終章の森口先生の言葉が的確過ぎてね。「そのとーり!よく言ってくれた!!」と思いながら読んでました。
振り返れば、どの章の人物も少しづつ自分に当てはまるような気がしなくもなくてヒヤッとしました。
誰しも思春期には持つ感情なんじゃないかなあ。もちろん、彼らの気持ちを全く理解できない人もたくさんいるでしょうが、私は少し懐かしく、冷や汗をかきながら読みました。もしかしたら自分も何かのはずみでこうなってたかもしれない、的な。
いやー、さすがにないかな。
いやでも、美月くらいの暴走はしちゃってたかもしれないなぁ。
おおこわ。
さて、読んでる間じゅうイライラムカムカしますが、最後に少しだけスッキリするので、わりと好き。
映画はどんな感じになってるか気になりますが、しばらくはいいかな〜。
映像になると表現が突き刺さってくるんで、刺激が強そう。
でも本の方はまた読みたいです。
結末を知った上で読んだら、また違った視点で読めそうな、そんな本でした。